≫symphonic rain シンフォニック＝レイン

スクイズやってからエロゲブーム再燃です。
ＳＲはエロ無いのでギャルゲですが。
あまり有名ではないゲームだと思いますが、
各レビューサイトではかなり評価されていた作品。
絵がロリーでほんわかなので、一見結びつきませんが欝ゲーです。
欝の種類が、どす黒い…嫌～な気持ちになる欝ではなく、
胸が詰まる…切なさを感じる欝なので、
私はそんなに、帰ってこれなくなる程にはなりませんでした。
では感想を。
ネタバレなし感想と、あり感想を分けて書きたいと思います。

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『symphonic rain』（シンフォニック＝レイン）
（くろねこさんちーむ）

■キャラクター…９０点
しっかり者の幼馴染、人当たりのよい優等生、人見知りな後輩。
おっとりした幼馴染であり主人公の恋人。
メインのヒロインはこんなところです。
絵の印象から、全員ギャルゲー特有の、
意志薄弱で主人公がいないと何もできないような子かと思いきや、
むしろ逆でした。
それぞれの抱える重い事情から、全員しっかりとした意思を持っており、
その意思を貫く為に懸命にもがいています。
むしろ主人公こそ、彼女達と関わらなかったら何も成せないのではと思いました。
ストーリーありきのキャラクター達なので、いわゆる萌えを感じる瞬間は少ないですが、
話を読み進めるにつれ、愛しくて仕方なくなってきます（笑）
キャラクター造形としての好みとかよりも、行動からくるなんともいえない愛しさは、
リアルに恋心に似ていると思うので、私はこの手のヒロインの描き方が好きです。
主人公の気持ちにシンクロできると、ストーリーへののめり込み方も変わってきますからね。
全体的に黒い話なので、キャラクターもやっぱり黒いです。
ヤンデレではないですが、冷静に黒い子達なんで、ヤンデレよりも深いのでは…と思ってます。
ヤンデレって要は心の弱い子がなるんだと思うんですが、
ＳＲのヒロイン達は強い子が多いので、病むのではなくあぁいう方向にいったという…
でも性格の悪い子は１人もいないので、そこは上手いなぁと思いますね。

■ストーリー…９０点
伏線大好き系の方にはオススメです。
張り巡らされてます。
結構気付いちゃうのもあったんですが、ひとつ完璧に騙された仕掛けがあって…
そこでＫＯされましたね。
旨い！の一言です。
そういった仕掛け以外に、ヒロインの心情の表現がとても上手なので、
一切ドンデンが用意されていなかったとしても
満足できただろうと思えるくらいに、シナリオの質は高いです。
ヒロインに惹かれていく過程にも無理は無いし、
ヒロイン毎のシナリオの出来にも大差なく、
全シナリオが読み応えのあるものになっていると思うし…
正ヒロインのトルタＥＤだけは、別の解答編とセットでの評価ですが。
（Ａｉｒの観鈴→Ａｉｒルートのようなものですね）
ＳＲ最大の見所は真相解明編であるＡｌＦｉｎｅですね。
伏線が集約されていくのが気持ちよくてドキドキして…
あぁこれだからギャルゲやめられない（笑）
あとはファルの真実が明かされる場面の…声優様の演技には鳥肌でしたね。

■サウンド…９０点
あの岡崎律子さんです。
ボーカル曲が１０曲もあるのですが、代わりにＢＧＭはそれらのインストゥルメンタル版が多く、
あまり曲数が多い印象は受けません。
ボーカル曲はシステム上何度も何度も聴くことになるので、
必然的に耳に残り、また歌詞が全てを知った上で見ると唸ってしまうくらい…
旨いんですねぇ。
好きな曲は「秘密」「I’M Always Close To You」「雨のmusique」。
あと、ＳＲを象徴するＢＧＭ「ココロの雨」…好きですねぇ。
岡崎さんが亡くなられたのが、ＳＲに携わった直後のようなので
遺作となるみたいです。
最後に素晴らしい仕事をされたなぁと思います。
ＣＤ欲しいですね…。

■システム…８０点
文字スピードを最速にしても、場面の切り替わりで強制的にスピードが遅くなることがあって
少しストレスでした。
それ以外には特に慣れれば不満に感じることはなかったです。
ミュージックアクションパートといって、ポップンのような打ち込み音ゲーがあるのですが、
これが結構ハマります。
最初はドへたなんですが、ストーリーが進むにつれて自分の腕が上がっていくのが
面白いくらい物語とシンクロしていて盛り上がります。
最後の卒業演奏では、主人公と一緒に緊張してました（笑）
ちなみに、こういったミニゲームが本当に無理な人の為にオートモードもあります。
私も下手なんで、ファルの曲はeasyでも最後までクリアできず、
オート使ってしまいました。
上手な人はやり込めると思います。
hardは自分では見てもいませんが、なんだかもの凄いみたいですから。

■グラフィック…６０点
絵が好み別れると思います。
私がロリ絵好きじゃないんで…でもやっぱりプレイしている内に可愛く見えてくるんですよね。
なので立ち絵はいいんですが、一枚絵の度になんか顔が違って見えたり、
重力おかしいなぁと感じたり、背景が寂しいくらいあっさりしてたりで、
ＣＧ回収しても、あんまり感慨深くなかったです。
背景の絵が絵画っぽくて可愛いです。
あの背景絵と音楽で、ＳＲのイメージは確立されてるんじゃないかなぁ。

□総評…Ａ
非常に完成度の高いゲームなんですが、何かが足りない…
勿体ないゲームです。
良くも悪くも地味なんですよね。
あとは全体に漂う暗いオーラのせいでしょうか。
暗いのは好きなんですが、それだけじゃなく、熱さや笑いが少しでも入ってるとよかったです。
個人的にはトゥルーＥＤのＡｌＦｉｎｅが好きなので、
グランドＥＤのシナリオが蛇足のように感じたというのも減点対象かも。
まぁこれは好みの問題だと思いますが。

ミニゲーム付きのギャルゲはやっぱり楽しいですね。
こういうのがあると、クリア後もアンインストしたくなくなりますね。

欝ゲーとか黒い話とか、隠された秘密とか伏線とか、
そういうのが好きな人には絶対オススメです。
私は、メインヒロイン３人は全員かなり好きになれました。
内一人は…本性出す前までは…ですが（笑）

限りなく名作に近い超良作…ですね。
あ、えろはないですが、なくて正解だと思います。
なんというか…恋人のアルのことがあるので、
えろがないことによってシナリオの説得力が増していると思う訳です。
基本、エロゲの、すぐやらせちゃう清純キャラと、それにノリノリな主人公が大嫌いなので。
ＳＲでもそういったシーンはありますが、あのキャラ以外のシナリオでは
やっぱりいらないと思います。

＜お気に入りキャラクター：トルタ、アーシノ、コーデル先生＞

推奨攻略順
リセ→ファル→トルタ（ＢＡＤ→ＧＯＯＤ）→ＡｌＦｉｎｅ→グランドＥＤ
トルタＥＤは、ナターレにアルが来る、誰ルートにも乗らない汎用ＢＡＤを見てから
ＧＯＯＤを見た方がいいと思います。



以下ネタバレ感想（反転）
・ファルの例の台詞は衝撃でした。テンション上がりましたねー。
でもイマイチ彼女のことが私には理解できなくて…
結局彼女はクリスの才能だけが好きなようにしか見えませんでした。
だってＥＤの伏線、あの後ひっどいことしてますし。
でも「アタシヲアイシテ」なんですよねー…
誰をも見下してる彼女でも、誰かに受け入れて愛してもらいたかったのかなぁ。
リセルート先にやると、ファルルートがよりいっそう楽しめますね。
おー怖
そしてファルシータのイタリア語の意味ってのがまた…
・雨が降ってなかったというのが、全編通して最大の衝撃でした。
双子トリックは世に出回り過ぎて、まずその線を疑ってしまうからダメですね。
ところでトルタルートのアルの悲しんでる顔が大げさ過ぎてすっごく恐怖だったんですけど…
絶対なんかあるよこの立ち絵で！！ってアルヤンデレ化を疑ってしまいました。
・アーシノはいいキャラでした…
トルタＧＯＯＤで、ファルのこと結構本気だってのがわかって
なんか可愛かったです。
軟派系の男が優等生っ娘に夢中になってる図だけでも好きなのに、
ファルの本性はあれですからねぇ…実に萌える組み合わせです。
・トルタは歴代でもかなり上位のお気に入りキャラになりました。
ヒロイン視点はもう鉄板ですねー凛もアクアも同じ原理ですし。
でもどうしてもプレイヤーに近くなり過ぎてしまって、
男性プレイヤーからすると、１ヒロインとして見ることが
難しくなりそうですけど…どうなんでしょ。
しかし声優さんの演技って凄いんだなって、トルタでしみじみと感じさせられました。
クリス視点の時は音声付きだから、柔らかくて可愛らしく喋っているのに、
トルタ視点になると、同じ台詞もものすごくキツく聞こえちゃうんですよね。
自分の脳内ではもっと早口になっちゃうからでしょうか。
印象が全然違いました。